---前回までのあらすじ---
度重なるハイホップ協議会の忠告や叱責をことごとく無視し、またしてもホップの大量使用によって裁かれてしまった、とあるHop Dude。反省の色が見られないため刑に処されたものの、彼がそこでも……？
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「被告人を強制ブルーイングの刑に処す」
ハイホップ協議会によって、遂に実刑が下された。レシピの自由を奪い、協議会が定めた“良いビール”の造り方を幾度となく強要することで洗脳状態へと導く刑罰だ。Hop Dudeは待機していた刑務官に連行され、Hop Prisonへと向かう。

画一的かつ凡庸なレシピの日々。ホップの選別や組み合わせなど、100を超える規則に縛られ、厳重監視のもと支配された忌々しいシステム。判決後、彼はすっかり大人しくなり、協議会が定めた更生醸造を、そつなくこなしていた。

指定されたホップによる2回目のドライホップを終えれば満了となり、釈放となるタイミングの時、であった。彼が隠し持つ謎の袋の中には、極秘裏に入手した禁断のホップ。一瞬の出来事であったが、その中身をタンクに放り込んだ瞬間、けたたましくエラー音が鳴り響き、辺りは騒然となる。

ライチやパイナップルに草のようなアロマ。フレーバーには搾りたてのグレープフルーツ果汁やライチ感。柑橘の印象もありながら、ほどよい苦みが効きバランスの取れた飲み心地。

更生レシピに背いたことが発覚し、再び裁きを受けながらも心の中で彼は呟く。
「俺は信念を持つ。だってそれが無ければ、俺には何もないから。」